住民発議による住民投票 & 無条件ベーシックインカム

CHダグラス『社会信用論』翻訳者・上岡みおが世界の賢人に学んだことをつづるブログ

カウフマン氏考案!政治参加するための指南書 グローバル・パスポート(14ページ目)

上岡みおによる、グローバル・パスポートの翻訳(14ページ目)。

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画像引用:Global Passport to Modern Direct Democracy | International IDEA


 利用すべき制度を見極めよう


■ 一般投票

 

住民発議、すなわち、住民の側から政治的提案をしようとする行動が、ダイレクト・デモクラシーを推進する「アクセル」に例えられるのに対し、一般投票は、「アクセル」への反作用としての「ブレーキ」に例えられます。

住民が主導する一般投票は、その典型例といえるでしょう。

政治的には少数派に属する住民であっても、政府(地方政府含む)が立案した条例や法律、憲法改正案についての是非を、全有権者に問うことが可能となるのです。

 

それと同時に、一般投票にも、登録方法、署名活動、提出方法に関しては従わねばならないルールが課されており、形式的側面からみれば、住民発議も一般投票も、ほぼ同じプロセスを進んでいくことになります。

 

一般投票には、投票結果に法的拘束力があるかどうかによって道は分かれるものの、新しく制定された法律や既存の法律に対する「抑制機能」が内含されています。

同じ居住区内で主導される「住民発議」と「一般投票」は、新しい法律を提案できる、あるいは既存の法律を廃止できる選択肢を、住民に付与するものだといえるでしょう。


一般投票の亜種である「リコール」は、選出された為政者を解任できるシステムです。

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上岡みおによる補足:


■ 一般投票

「グローバル・パスポート」いよいよ 一 般 投 票 の説明に突入してきました!

「一般投票」は、文脈によっては「拒否権投票」と訳されることもあります。

この制度があれば、一定の手続きを踏むことで、既存の法律を白紙撤回させることが可能になります。

一般投票は拒否型の投票、住民発議による住民投票は、提案型の投票ともいわれます。

目的とするところが大きく異なる制度です。

ところが、日本では両者をまとめて「国民投票」と呼んでいるため、無用の混乱が引き起こされています。


■ 反対運動を成就させるために


日本の市民運動は、ほぼほぼ「反対運動」に終始しています。


日本には、住民が主導できる拒否権投票システムがないからです。

・・・なんだか効率悪いと思いませんか?

・・・反対という民意を反映できるシステムがあったほうが良いとは思いませんか?

・・・「反対運動」にかけるエネルギー、コスト、時間の一部でよいので、住民が主導できる「拒否権投票」制度を実現させることに振り向けてみるのも一案だとは思いませんか?


■ スイスの拒否権投票制度について知ろう!

民主主義の指南書「ダイレクト・デモクラシーへのグローバル・パスポート」には、スイスの拒否権投票制度についてもわかりやすくまとめられています。

既存の法律や可決法案に疑問をお持ちのかた、必読です。

拒否権投票制度があったら、反対運動を効率的に成就させられるのですから。


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