上岡みおによる、グローバル・パスポートの翻訳(19ページ目)。
画像引用:Global Passport to Modern Direct Democracy | International IDEA
住民発議権をめぐる取り組み
アメリカ合衆国のオレゴン州では、住民発議権を利用することで、新しい法案や憲法改正案を提案することができます。
主導者は、直近の州知事選の投票者数の6%(憲法改正案の場合は8%)に相当する数の署名を集めなければなりません。
2016年11月8日には、4つの住民発議案が住民投票にかけられました。そのうちのひとつは、ウミガメ、クジラ、サメなど12の動物に由来する製品および、体の部位の販売を禁止するものでした。
この議案には、およそ70%の賛成票が投じられました。(オレゴン州務長官 2016年)
ニュージーランドでは、1年以内に有権者の10%以上から署名を取りつけると、かかる議案を住民投票に問うことができます。
ただし、投票結果に法的拘束力はありません。
ニュージーランド政府は、国有のエネルギー会社数社のうち一部を民営化する計画を進めていました。
この政府計画に反対する住民発議案の主導者は、郵便投票を開催するために31万筆以上の署名を集めました。
11月22日から12月13日にかけて行われた郵便投票では、3分の2以上の投票者が反対に回りました。投票率は45%でした。
オーストリアでは、住民から10万筆以上の署名を集めると、国会へ新法案を提出できる「議題発議権」が認められています。
かかる法案は、国会で検討することが義務づけられています。
オーストリアでは、1960年代の中盤以降、トータルで40件の法案提出権が発動されました。
このうち34件には、指定された期間内に10万筆以上の署名が集まりました。
2017年1月には、アメリカとの自由貿易協定、カナダとの自由貿易協定、どちらへの加盟にも反対する発議に対して、562,552筆の署名が集まりました。